【正しい美少女映画・2】
不思議な感触を持った映画。
魔法少女が登場するのだけれど、その説明がろくにないので、観客の側で色々想像しながら補っていく必要がある。・・・いや、別にシチメンドクサイことを考えなくても、何となく見ているだけでも面白いんだけどね。
私自身は見ていないが、『トイ・ストーリー3』のようなテーマを持った作品なのか、と考えた。小さい頃は夢中になって遊んだ玩具が成長した子供から忘れられるように、小さい頃は夢中になって読んだ魔法少女のマンガ(或いは子供向け小説、テレビドラマ、アニメ・・・)もいつしか忘れられる。そして『トイ・ストーリー』では玩具だちが動きながら悩んだり解決に向けて行動したりしたように、この映画ではフィクションの魔法少女が実体となって、つまり生身の女子高校生として現れてくる。
彼女は普通の少女として懸命に高校生活を送る。しかし、魔法少女の宿命、つまり子供たちにやがては忘れられるという運命を逃れることはできない。そこが、残酷で、なおかつ美しい。人間は忘れることによって生きているのだもの。
・・・というようなことを考えずとも、素直に美少女映画として見ていて楽しめる作品でもある。魔法少女を演じる谷内里早もなかなかいいが、私はむしろ準ヒロインで侍言葉を駆使する森田涼花が気に入った。そして二人とも水着シーンをちゃんと披露しているのもいい。美少女映画はこういうふうに作らなきゃ。
不思議な感触と、水着シーンでの健闘に敬意を表して、この点数。