うにたべたい

悪魔のエイリアンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

悪魔のエイリアン(1971年製作の映画)
4.1
『マックイーンの絶対の危機』の続編。
『人喰いアメーバの恐怖 2』、『悪魔のエイリアン』、原題の『SON OF BLOB』と、呼び方が一定しないですが、すべて同一作品の呼称です。
なお、『マックイーンの絶対の危機』は、テレビ放映時『SF人喰いアメーバの恐怖』というタイトルだったので、『人食いアメーバの恐怖 2』はそれを受けてのタイトルかと思います。
そのため、『悪魔のエイリアン』というセンスがアレなタイトルが恐らく本作の日本語版正式タイトルだと思うのですが、前作の続編である本作のブロブに宇宙生物(エイリアン)的な要素はないです。
センスもですが、前作の導入部ありきなタイトルになっているのも残念な感じですね。

前作ラストでブロブは凍らされて北極に投棄されましたが、本作のブロブはどういった経緯か、ある田舎の配管工が北極の永久凍土からブロブの標本を手に入れてしまったところから始まります。
要冷凍のブロブが入ったカプセルを常温で放置してしまったがため、ブロブが解凍され、その家の住民は食い殺されます。
一軒家を訪ねた「リサ」は、ブロブに捕食されている配管工「チェスター」を目撃し、ボーイフレンドの「ボビー」の元に逃げ込みます。
リサ、ボビーら少年グループはブロブの危険を必至に訴えるのですが信じてもらえず、町の人々は一人、また一人と、ブロブに捕食されていくという展開です。

町の若者たちがまず危険性に気づいて保安官に訴えるも取り合ってもらえず、犠牲者が増えていくという、前作と良く似た展開をします。
本作も登場する不定形モンスターは「ブロブ」という呼称では呼ばれません。
生き物を見つけると襲いかかる貪欲さは感じられますが、感情があるようには見えないところも一緒で、前作の一部で増殖したため、前作のブロブと同一の性質をもっている様子です。
特にパワーアップしているわけでもなく、退治方法も前作と同じ、ただ、前作と異なる点として、本作はよりコメディ色が高い作品となっています。
入浴中のおじさんの元にブロブが現れて、裸のまま町へ駆け出すおじさんのシーンではご丁寧にコミカルな曲調の音楽が流れて、ホラー映画ということも忘れそうになりました。
そういうゆるさも前作同様なので、前作が良かった方は本作も気にいると思います。

ラストの締め方も前作と同じで、最期に「THE END?」と表示されます。
更に続編を作る意欲があったということなのでしょうか。
ちなみに『マックイーンの絶対の危機』のリメイク作品『ブロブ/宇宙からの不明物体』ではラストに瓶に入れられたブロブが出てきます。
本作のリメイクにつなげるつもりなのではないかと、新たなブロブの活躍を密かに期待しています。