悪魔の毒々クチビル

悪魔のエイリアンの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

悪魔のエイリアン(1971年製作の映画)
3.0
THE END?

宇宙アメーバが人を喰いまくるお話。


邦題が2つあってややこしいですが、58年製作の「マックイーンの絶対の危機」の続編です。
ホラーファンには後に製作された傑作リメイク版の「ブロブ 宇宙からの不明物体」が一番知名度高いのかな?
俺はオリジナルの1は観ていないんだけど、まぁ「ブロブ」は観ていたし大丈夫でしょってことで。

うん、コメディ映画です。
冒頭の猫がひたすら草原でじゃれているだけの可愛いらしいオープニングクレジットの時点で「?」となりましたが、その後も恐らく前作で出たであろうブロブの一部を持ち帰ったおっさんが奥さんと他愛のない会話をグダグダしている辺りで「あ、そう言うやつね」とお察ししました。

今作もまた70~80年代にちょくちょくあった作風とBGMが噛み合わないタイプの作品で、主人公がブロブに覆われている死体を見つけて大慌てで逃げるシーンで流れる曲とかもう完全にドタバタコメディ映画なのよ。
改めて当時のギャップ狙いなのか分からん選曲に困惑するも、昨日見たSLIPKNOTのライブでオープニングにカントリー系歌手のBILLIE JO SPEARSの曲流してから"Disasterpiece"のギュインギュインなイントロに雪崩れ込むギャップ演出が格好良かったのを思い出すと、やはり狙っていたのかもしれない。違うか。
あとおっさんが襲われる様を全然関係ないボーイスカウト集団のハイキングシーンと交互に映したりと、めっちゃ焦らしていてしょうもなかったけどちょっと面白かったです。

その後も襲われる住人のちょっと緩コメなやり取りをほぼ毎回描くという、変な掘り下げ方が印象的でした。
有能な感じだけ出しているポンコツ保安官とか、車をぶつけられたりで主人公カップルを敵視するもピンチの時に「おい、こっちだ!」とキャラに合わず助けてくれるボーリング場のオーナーだったりと意外と登場人物は良かったです。

71年の作品なだけあってブロブに襲われた人もただスライムまみれになっているだけだし、後半巨大化してからは合成なのでリメイク版にあったようなゴアは求めてはいけないですが、これに関しては予想通りでしたので不満はないです。
終盤、巨大化してからは漸くモンパニっぽくなります。

前作についてちょこっとしか触れられないのでうっかり今作から観た人は、このアメーバ状のやつが何なのかすらよく分からないだろうなってくらいコミカルさを優先したラフな内容でしたが不思議とそこまで嫌いでもないです。