映画大好きザウルスくん

ファイナル・ファイター/鉄拳英雄の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

2.6
第二次世界大戦から帰ってきたジェット・リーは中国の市街地が横暴なアメリカ兵に荒らされている現場を目の当たりにし、打倒を誓うのだが…というジェットリー主演作にして最初で最後の監督作でもある本作ですが、重すぎるストーリーが足を引っ張ってしまってアクション映画として観るにはかなりツラい仕上がりとなっていました。

冒頭の戦争シーンはそこそこ見栄えが良かったし、中盤のバーでのボクシングシーンでは香港映画のお家芸である物が飛び交う騒々しい大乱闘(雷による屋根破壊→会場水浸し→窓、椅子、机が壊れる大人数での取っ組み合い)が展開されたり、ラストの工場ではラスボスのアメリカ兵がシャベル(誰でも振り回せば武器にできる物)を武器にするのに対してジェットリーはチェーン(訓練していなければ武器として扱いにくそうな物)を使って対決するなど、一応アクション的な見どころも散りばめられてはいたのですが全体の15%くらいしかアクションが見られないのはかなり物足りなかった気がします。

しかしもっと問題があったのはドラマ面です。ずっとアメリカ兵にズタボロにされ続けてラストに怒りを爆発させて復讐するというかなりオーソドックスな内容ではあるのですが、そのズタボロにされ具合が観ていて本当にツラかった。人情劇のように描いておきながら主要人物が一方的に悲惨な目に遭って終わるという何とも胸糞悪い展開…。可哀想すぎてアクションどころじゃないのが正直なところです。

ジェットリーが不当に虐められる映画はもう観たくないなぁ…。善人が一方的にボコボコにされる映画は心底嫌いだなと改めて感じた1作でした🤦‍♂