爆裂BOX

クロス・ファイヤーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

クロス・ファイヤー(2008年製作の映画)
3.8
うらぶれた閉鎖間近の署に配属になったエリートのヴァンサン警視。彼はこれまで署員が見過ごしていた些細な事件にまで首を突っ込み捜査を始め、やる気のない他の署員は彼を煙たがるが…というストーリー。
リシャール・ベリ主演のフレンチ刑事アクション。
冒頭の護送車襲撃から結構な銃撃戦で期待が持てます。
ストーリーは真面目な警視が閉鎖間近の警察署に派遣され、やる気の無い同僚たちに最初は煙たがられながらもその真摯な態度に感化されやる気を取り戻した同僚たちと共に捜査の末巨大犯罪にたどり着く、というものです。
最初は主人公を厄介者扱いしていた同僚たちがジョギングに誘われたり一緒に捜査をするうちに打ち解けやる気を出していく展開が丁寧に描かれていて好印象。主人公に明確に反目し、こっそり彼の部屋を調べたりしてたジャン・パが暴漢に襲われた主人公を陰から助ける所はベタながらグッときました。
同僚たちも個性的なキャラをしています。何より悪徳警官がおらず、やる気が無いだけで基本皆善人なのが新鮮です。ジャン・パも「尾行」と称して浮気してるクソ野郎だけど、仲間思いだからこそ中盤で主人公に怒ったんでしょうし。だからこそ終盤の戦いで死ぬ所は悲しいですね。あの黒人の女刑事とかあそこで殺す必要あったかな?
クライマックスの逮捕されたボスを取り戻しにきたギャング達に包囲された警察署での15分間に及ぶ大銃撃戦は「要塞警察」や「スズメバチ」を彷彿させ迫力たっぷりです。警察署のセット全部破壊する勢いの子の銃撃戦こそが本作一番の見所で監督も見せたいシーンでしょうね。
ただ、唐突に主人公が辞職する事が語られたりと説明不足な箇所がチラホラ見受けられます。カットされてる部分があるのかと思うくらいいきなり出てきますし。そりゃ、あれだけ皆煽ってやる気出させておいて全部投げ出して一人でいなくなるってなったらジャン・パが怒るのも元もですね。
ボスに辿り着く過程も強引すぎる印象を受けました。後、ボスと通じてる裏切り者の示し方もわかりやすすぎるきらいありますね。逆にあの裏切り者がボスとああいう関係になった過程知りたいな。
ラストも個人的にちょっとあっさりしすぎだと思いました。
箱詰にされたバラバラ死体など、結構グロい描写があったのは個人的には◯
それでもB級アクションとしては大いに楽しめる出来でした。