ヴィンセント

飢餓海峡のヴィンセントのレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
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この物語は史実としてある
1954年9月26日の2つの事件を
題材としている
一つは青函連絡船洞爺丸の沈没
もう一つは岩内の大火
この二つの最大級の天災の原因は
一つの台風(洞爺丸台風)によって
引き起こされた

わたくしが伝えたいのは
洞爺丸台風が尋常の台風ではなかった
事実である それは台風の規模ではなく
山師によって語られる
不思議な山の現象である

山師曰く
その日の昼に今まで、みたこともない
光景を見たんだと•••
それはおびただしいサワガニが
沢から山の上の方向に列をなして
逃げていく光景だったと
長く山の仕事をしていて
ただと一度もそれまでは
見た事がなかったと

この事実は洞爺丸台風が
猛烈な台風である事を示している
と言うよりも これから起こることの
重要性を伝えているのではなかろうかと
想像するのである

なぜならこの二つの未曾有の事件は
その後奇跡的な小説となり
映画化されるからである
飢餓海峡といふこの映画は
この事実の帰結点であり
人類に対する日本人に対する
究極に深い意味を秘めている
可能性を強く印象付けている