ブラックユーモアホフマン

検察官/勾留のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

検察官/勾留(1981年製作の映画)
4.3
春ってずっと眠くて嫌なんですよ。
すーごいウトウトしちゃって内容追い切れてないところも正直あるんですけど、多分すごい好きでしたねこの映画。笑

取調室と向かいの建物とその間の道と、あともう一室という非常に限定的なシチュエーション。回想などで他の場所も出てくるけどそれはあくまで心象風景的にしか出てこず、現在進行形のドラマはこの限られた空間の中だけで起こっている。大晦日の夜という設定も好き。

何かに似てる気がするんだけど何だか分かんない、って最近いっつも同じこと言ってる気がする。んーーシチュエーションの限定された感じはロバート・ワイズの『罠』みたいだと思ったかな。画の色合いはキェシロフスキ『デカローグ』みたいだなと思った。特にクリスマスツリーとかあったから第3話とか。あとなんとなくニコラス・ローグの『赤い影』とか。赤いコートの鮮烈さか。取り調べを受けている方も信用ならないが取り調べをしている刑事の方も信用ならないぞって感じは原田眞人『検察側の罪人』なんかも思い出したり。あとフィンチャーの『セブン』とか『ゾディアック』とか?

いやなんか他にもっと似てる映画あるんだよな多分……思い出せないな……。

窓の外で雨が降っていて街の灯りが煌めいている背景も美しい。背景が美しいから、単調になりがちな会話劇でも画が持つ。飽きない。(寝たくせに何言ってるんでしょうね)

また見返す機会があればみます。寝ちゃってすみませんでした。多分すごい好きなのになこういう映画。勿体ないことした。

【一番好きなシーン】
・飲み屋のカットで、中に座っている老夫婦みたいのがニコニコしながらこっち見てるのとかもすごくいい。なんか不穏。
・「聞こえたかな?気にするかな?」「大丈夫。忍耐強い人だ」って会話が、後の展開を考えると無責任というか読み違えてるっていうか。