みきちゃ

キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!のみきちゃのレビュー・感想・評価

4.3
「ペンタゴン・ペーパーズ」にグッときて「大統領の陰謀」を観て「ザ・シークレット・マン」を観てさらに「フロスト×ニクソン」も観て、ラスボス「ニクソン」も観たら、満を持して「ディック(原題)」鑑賞の流れ、あると思います。

「大統領の陰謀」オマージュの、タイプライターをばっちばちいわしてからクスッとさせてくるオープニングで、この映画のこともう好きだと思った。

あのウォーターゲート事件当日、JKが二人ほど同ビル内に紛れ込んでて、ひょんなことからホワイトハウスに通うようになり、すったもんだありーので、かの"ディープ・スロート"の正体は実はなんと彼女たちだったんです!というお話。 ”ディープスロート“本人がカミングアウトする数年前の映画なので、これだけの事柄がおさえられてて辻と褄も合わさってたら、実際無いとは言えんなって、視聴者にそう思わせてやるんだーといわんばかりの監督の気概が伝わってきた。

15歳の頭からっぽキャピキャピJKを演じるキルスティン・ダンストがめっちゃ可愛い。親友役のミシェル・ウィリアムズはまだかなり幼くて可愛い…おぼこい…。政治のセの字も知りませんてかんじの彼女たちを中心に展開するどたばたポリティカルコメディ。おバカ映画なふりして、ウォーターゲート事件にまつわる事実と謎をきっちりおさえた、芯はかなり真面目な映画だった。

ホワイトハウスの盗聴録音テープの空白の18分30秒の真相とか、すっごいしょうもないんだけどかわいかった。ニクソンとジョンディーンとキッシンジャーは、喋り方をかなりご本人に寄せててうけた。ホワイトハウスのわんこについて、「ケネディにはなついてたのに俺にはなつかん!」とニクソン君のJFKコンプレックスキャラもしっかり描かれてた。ちょっとかわいそう。

この映画が米国でスマッシュヒットしたことで有名女優への道を歩みだしたといってもよさそうなミシェル・ウィリアムズだけど、当時日本ではまだ無名だった?のか、ジャケットから抹消の刑に処されている。ダメ判断。

事実の他に、他のニクソン政権関連映画を意識した場面もたくさん。ウッドワードとバーンスタインがだいぶいじられてた。売れない漫才コンビぽい二人は、お前キャベツ臭いんだよー!などと言い合いしてたけどそれなんの悪口よw

皮肉チックな原題が好き。リチャード・ニクソン大統領のファーストネームを、短縮形で、愛と親しみを込めて、「ディック」。嫌な男の代名詞でもある、「ディック」。
みきちゃ

みきちゃ