イーライ・ロス監督による大ヒット・ホラーの正統続編!(えっ「正統じゃない続編」もあるの?)というわけで、今をときめくタイ・ウェストの初期監督作をアマプラで。
前作(覚えている人にしかわからない!)で、登場人物たちに致死性ウィルスを感染させた「湖の水」を原材料にしたミネラルウォーターが、高校に大量に納品される。季節は春の卒業シーズンで、3年生はプロムに誰を誘うかで頭が一杯。案の定、ほどなく学園内では致死性ウィルスのパンデミックが引き起こされ、さらには特殊部隊が学校を包囲した結果、プロム・パーティーは阿鼻叫喚の血みどろ地獄絵図に……
と、あらすじだけ抜き出すと、面白くも何もない本作。
でもね……〝最初の犠牲者〟がスクールバスに轢き殺されるファーストショット/端的にアニメで感染拡大の様子を示唆するオープニング・アニメ/ゲロだの膿だの血尿だの出来物だの…と容赦ない汚物描写〟など、露悪路線をこれでもかと爆進するさまは、そこそこ面白い(笑える)。
ヒロインがJKの癖に老けてるとか、プールシーンのおデブちゃんは何だったんだ?とか、不満や不都合や疑問をあげていくとキリがないが……21世紀版グラインドハウスと思えば、万事オッケー。とはいえ、各キャラに感情移入させる暇がなかったがゆえ、どんなに悲惨で残虐な死に方をしても、いまひとつ怖くないのもたしか。
「性病の恐ろしさ」を暗示するあたり、21世紀版のセクスプロイテーション映画と解せなくもない(が、そこまでエロくもない)。エンディングのアニメからもそこはかとないセンスは感じられたのだが。