ドナウ

日本の夜と霧のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

日本の夜と霧(1960年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

セリフの複雑さと膨大な言葉がワンカットの長さと相まって張り詰めた空気の中躓きや間違いを生む。その動揺がガラスにヒビが入るようにジワジワと拡がっていく。一つの集合体でありながら性別、身分、時代という分厚い壁に分断され、闘争と理論と共存とが対立する。暗い日本の将来と党への疑念や違和感を感じるも、歌い踊ることしかできないやり場のないもどかしさ。信念のなさ故に狡さが見え隠れし自己弁護に終止する。資産家の息子であり指導者の流暢で空虚な演説は弱々しく音楽にかき消され幕を下ろす。
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