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タイタニックの最期のひでGのレビュー・感想・評価

タイタニックの最期(1953年製作の映画)
4.0
これは隠れた名作です!

ご存知、ジェームス・キャメロン監督作の
大ヒット「タイタニック」は、本作の豪快なリメイクと言ってもいいでしょう。

この作品があったからこそ、あの「タイタニック」が生まれたのです!

1953年作、今から70年前の技術と、
100分を切る尺で、
これだけの悲劇と人間
ドラマを描き切れた展開の素晴らしさ

キャメロン版のような、大スペクタクルや
CGを駆使した画面ではないけれど、

あの歴史的な悲劇は、ちゃんと70年後の
私たちにも伝わるのです。

映画の持っている力を改めて感じさせられました。

さて。お話は皆さん、ヨークご存知でしょう。
タイタニックの悲劇
氷山にぶつかってしまいます🧊

物語は、ある裕福な家族を中心に回っていきます。

ここら辺も、「グランドホテル」形式とは違います。

つまり、いろんな人物のエピソードを散文的に描いていくのではなく、
ある家族や男女に絞っていく描き方。
キャメロンは、ここから学んだのではないでしょうか。

ある金持ちが乗船間近のタイタニックに乗り込もうとする。当然チケットはない。

彼はかなり強引なやり方でチケットを手に入れ、乗船する。
かなりの金持ちらしい。

タイタニックには、妻と娘と息子が既に乗船していた。

壊れた家族が、本当に壊れていくものによって、再生していく。

このモチーフは、山田太一の歴史的テレビドラマ「岸辺のアルバム」でも使われているように、ドラマの典型の一つ。

ここでも、それが展開していく。しかも、
かなりのドラマチックさの中で、

この金持ちとある家族の関係が、壊れ、そして再生していく。

クライマックスは、セリフも見事に決まり
さらに盛り上がり、壮絶なラストの悲劇に
向かっていきます。

キャメロン版の「タイタニック」のファンも、未見の人も、必見の作品です。

長野に転居して、新作を観る機会がメッキリ減り、しかも、新作DVDも観れない環境

その分、「逢びき」や本作のように、
古き良き作品を再発掘していく楽しみを見出しています。

コメント欄に、地方都市の新作公開の状況を愚痴ってます!同情してください!
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