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ココ・アヴァン・シャネルのsithmaroのレビュー・感想・評価

ココ・アヴァン・シャネル(2009年製作の映画)
3.3
タイトルが『ココ・シャネル』ではなく「アヴァン」という言葉が挟まれていることからも解るように、デザイナーとして「シャネル」というブランドで名声を得る前の半生に焦点を当てている。
なのでシャネルの生涯を観たいと思うと肩透かしをくらうだろう。
描かれているのは決してサクセスストーリーではない。

それどころか、描かれているのはココの男遍歴。
孤児として幼少期を過ごし、キャバレーで歌を歌い歌手を夢見るも叶わず、およそ順風満帆とは言い難い生活を送るココ。
そして愛人として送る退屈な日々、叶わぬ恋。
才能だけでは女性が成り上がることか難しい時代にあって、彼女の生き方を逞しいと思うか?
はたまた、はしたないと思うか?
そこでもまた評価は大きく変わるだろう。

そんな奔放とも言われかねない主人公を演じているのは『アメリ』のオドレイ・トトゥ。
気をつけなければいけないのは、ここて描かれているのはデザイナーとしてのココ・シャネルではなく、1人の女性としてのココ・シャネルだ。
タイトルにある「アヴァン」を見落として、過度の期待を寄せると、駄作になりかねない危うさのある映画と言っても過言ではないだろう。
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