茜

新・死霊のはらわたの茜のレビュー・感想・評価

新・死霊のはらわた(1986年製作の映画)
3.6
ホラーマニアの方が撮影した自主製作映画。
サム・ライミが資金援助をしてあげたというエピソードにほっこり。
こういう製作側の熱量がリアルに伝わってくる作品って憎めないし好きなんだよなぁ私は。

人工ウイルスにより大量発生したゾンビvsゾンビ撲滅隊vsカルト宗教、とでも言うべきか。
やたらここでの点数は低いけども、正直グチャドロスプラッターや特殊メイクは自主制作のレベルじゃないですよ。
カサカサした質感の映像に、赤黒い血糊の色がまぁよく映えること…これだけで既にたまらんやつ。
ゾンビに食い千切られデローンと伸びる皮膚、破壊された人体からドクドクと溢れる血液等々…。
約80分の映像に、これでもかと言わんばかりにたっぷりグロゴアが詰まりまくってて、まさに出血大サービス。

お話自体はなかなかトボケてる部分も多くて、10分毎くらいに誰かがヘマしてゾンビに噛まれるという流れが続くもんだから「お前ら今までよく生存してこれたよな…」つって苦笑。
でも人工ウイルスによって発生したゾンビと「ゾンビは神からの裁きである」と唱えるカルト宗教を絡めるっていう発想はなかなかユニーク。
一人で歩くゾンビに手榴弾を投げつけたら奥からワラワラと大量のゾンビが走ってきたり、ゾンビがビデオレンタルしに来たり、随所にお茶目で印象深い演出が光ります。
登場人物の名前が「ライミ」や「カーペンター」や「サヴィーニ」というあからさまな感じもクスッときちゃう。

何だかんだ、巷に溢れてるしょうもない謎ゾンビ映画よりもよっぽど工夫されてて個性のある内容だと思う。
自分はそこまでゾンビ映画の大ファンって訳じゃないんだけど、そんな私ですらこの映画から溢れ出るゾンビ愛をヒシヒシと感じたので、きっとこれは本物。
茜