爆裂BOX

生体ジャンク!狂殺の館の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

生体ジャンク!狂殺の館(1984年製作の映画)
3.7
聾唖学校の教師ジュリアには精神病院に入院している姉メアリーがいた。だが、メアリーは病魔によって顔が変貌し、病院を脱走する。やがて、ジュリアの誕生日が近付くにつれ怪事件が続発し…というストーリー。
「ディアボリカ」「テンタクルズ」等のパチモン映画を手掛けたオヴィディオ・G・アソニティスが手掛けた「誕生日はもう来ない」をパクったイタリア産のスラッシャーホラーです。
主人公ジュリアは精神病院に入院して7年間あっていない姉メアリーに会うも、病気で顔が崩れた姉に脅され、その姉に誕生日に犬をけしかけられたり煙草を押し付けられるという虐待を受け誕生日に不安を抱いていたが、姉が病院を脱走し誕生日が近付くにつれて殺人者に周囲の人が次々殺されていくという内容になっています。
殺人鬼が使う主な凶器が犬を操って襲わせるというのが面白かったですね。犠牲者に飛び掛かって喉笛をガブガブ噛んで、犠牲者が血塗れになって息絶える様は中々凄惨な感じ出ていたと思います。特にジュリアの友人ヘレンが襲われるシーンは妙なエロさもあって白盾。ただ、犬に襲われる直接的なシーンはこの二か所くらいだったのは残念。後はナイフで刺すだけで流血も少なかったですね。主人公が可愛がってた聾唖学校の生徒サーシャまで殺されたのはビックリしたけど、流石に子供の直接的な描写は無かったですね。生徒たちとサーシャの思い出を語り合うシーンは妙にリアルで胸にきました。
犬が階段の上から見下ろして居たり、地面に座って牙見せて唸ってるシーンは結構怖い。でもちょっと可愛さも感じた(笑)扉から頭突き出して襲い掛かろうとする「シャイニング」なシーンもありますが、直後に主人公の彼氏にドリル頭に突き立てられる所は犬のパペットが結構リアルなのもあって犬好きは要注意なシーンになっています。
ジュリアの住んでるアパートの管理人の日本人木村さんがいい味出していました。「アレモセイコレモセイ」「えらい仕事だ」と日本語で愚痴る所も字幕ついてるの爆笑した(笑)すぐ退場するのが惜しいキャラでしたね。大家さんも犯人に追いかけられる所で「ヒャー」みたいな声上げながら速足で逃げる所なんかおかしかった(笑)
クライマックスで開かれるジャケットにもなってる「誕生日はもう来ない」をモロにパクった死体で囲む誕生パーティは本家に負けない異様な雰囲気ありました。
メアリーと殺人を行っている(というよりこっちが主犯?)犯人は薄々怪しいなと思っていた奴でしたが、誕生パーティで見せるマジキチぶりは素晴らしいものがありました。メアリー完全に食われてたな(笑)「キチ×イの男と女が出会って二人のキチ×イの子が生まれた。一家はキチ×イの馬に乗って町を出た」というヒドすぎる内容の歌頭にこびりついて離れません(笑)ジュリアの反撃によって斧でズタズタにされる背中は印象に残りました。彼氏のドン引き顔も(笑)
最後のオチは完全に油断しててビックリしました。
後半の犯人のマジキチぶりや本家そのままの死の誕生パーティなど、こちらも好事家なら楽しめる作品でしょう。本家と比べるとラストは綺麗にまとまりすぎてる感はありますが…