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グラディエーターのfujisanのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
3.9
今観ると、完全にホアキン・フェニックスの映画でした。

北米で今年の11月に24年ぶりの続編が公開される「グラディエーター」。今回、スクリーンで限定公開してくれていたので観てきました。

本作は2000年公開の、いわずとしれた歴史大作。アカデミー賞で作品賞を含む5部門を受賞し、その年もっとも話題になった作品だったと思います。

帝位継承争いに巻き込まれ、妻と子供を殺害されたローマ帝国の将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)が、自身も奴隷の身分から、コロッセウムでの闘いを経て皇子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)に復習する物語です。

制作に5年、当時で1億ドルの巨額を投じ、イギリスやモロッコ、北イタリア、マルタ島などで撮影。闘技場コロッセウムを1/3スケールで実際に建築し、CGによって実写と合成しているようです。

当時のパンフを引っ張り出して見てみると、剣闘シーンも可能な限り実写で撮影しているらしく、『立ち位置を間違うと怪我をするので~』など書いてあって『いや、下手すりゃ死ぬやろ』って驚きますが、リドリー・スコット監督のこだわりなのか、映像の迫力はかなりのもの。

今ならフルCGで再現してしまいそうな剣闘シーンも、CG特有のツルンとして実際の重量感を感じさせないような映像ではなく、編集の巧みさもあって、甲冑や剣の重さを感じる死闘には、凄まじさを感じました。



本作は、本作でアカデミー主演男優賞を獲得したラッセル・クロウを一躍有名にした作品でもありますが、今改めて見ると、若干25歳で皇子コモドゥスを演じたホアキン・フェニックスの神がかった名演が光っています。

父に愛されず、孤独の中で徐々に狂気に目覚めていく皇子。
皇帝の座を手に入れたことでも認められず、民からも、姉からも、臣下からも愛されない男がさらに孤独の底に落ちてゆき、悪魔と化していく姿には、ジョーカーを怪演した姿が重なります。

最近、「ヴァチカンのエクソシスト」で久しぶりにヒットを飛ばしたラッセル・クロウですが、本作グラディエーター当時からワガママっぷりは有名であり、ジョーカーからナポレオンと大作の主演が続くホアキン・フェニックスの方が今では大物俳優になった印象があります。



全世界で5億ドル近い興収を稼いだだけあって何度も続編の噂があった気がしますが、その都度立ち消えになっていた作品。それが、リドリー・スコット監督86歳にして再び続編を撮るっていうので、正直驚きました。

続編は、本作でコール・ニールセンが演じたコモドゥスの姉ルッシラの子、ルキウスが主役で、「aftersun/アフターサン」で繊細な父親役を演じていたポール・メスカルが演じるそう。

ほかにも、「イコライザー」シリーズのマッコールさんことデンゼル・ワシントン、本作でマキシマスの友ジュバを演じたジャイモン・フンスーなど、大物も登場。(一時期、バリー・コーガンも出演と言われていましたが、それは流れたみたいですが)

先日、ついに予告編も公開され、今回はいよいよ実現しそう!コロシアムのシーンは明らかにバージョンアップされていて、今から楽しみです!!

GLADIATOR 2 (2024) - FIRST TRAILER | Pedro Pascal & Denzel Washington | gladiator 2 trailer
https://youtu.be/V_nXWN7Aamc?si=o4dVNvPByu5aAzUc
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