ゴン吉

南部の反逆者のゴン吉のレビュー・感想・評価

南部の反逆者(1957年製作の映画)
4.4
南北戦争時代の人種差別と自由を描いたラブ・ストーリー。
原作は、ピューリッツァ賞受賞作家のロバート・ペン・ウォーレンの小説で、クラーク・ゲーブルとイボンヌ・デ・カーロが共演。

南北戦争直前のケンタッキー州のスターウッド農場の農場主を父親にもつマンティ(イボンヌ・デ・カーロ)は何不自由なく幸せに過ごしてきたが、年頃になったので全寮制のヒップス女学校に入学することに。
やがて美しく成長したマンティは結婚を誓った彼氏もでき、幸せな日々を送っていた。
ある日、父危篤の電報を受け取り、急いで牧場に戻ってみると父の葬式が行われており、そこで初めて自分は黒人との混血であることを知る。
そして黒人として売られることに。
ニュー・オリーンズの奴隷市場で競売にかけられるが、一人の白人紳士ヘイミッシュ(クラーク・ゲーブル)が、破格の高額5000ドルで彼女を競り落とす。
マンティは最初はヘイミッシュに反抗心をもっていたが、彼の真意と優しさに心を開いていく。
そんな折、南北戦争がおこり、ヘイミッシュは北軍に追われる身となるが.........  

白人として生きてきたお嬢様が、父の死により自分が黒人との混血であることを知り、その日を境に突然黒人奴隷としての人生が始まる衝撃的な展開。
そして自分を買った白人紳士に心を寄せるが、なんと彼は、昔、船乗りをしながらアフリカ・リオ・ボンゴで奴隷商人をしていたこが明らかに。
マンティの二転三転する人生に加え、ヘイミッシュの命を賭けた決闘などハラハラするシーンも随所にあり楽しめた。
マンティの前に次々と現れる男性との恋の行方にも注目です。
そして終盤に怒涛の伏線回収。
「ひとりきりで自由はない 君も 私も……」 
ラストの船出が素敵です。
原作が、ピューリッツァ賞受賞作家のロバート・ペン・ウォーレンの小説だけあり、人種差別を軸にして自由とは何かを投げかけた素敵なラブストーリーです。  

2022.3 NHK BSP で鑑賞(字幕・菊池浩司)
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