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『たのしい知識』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.6
 五月革命の直後に自分たちの体験を総括する3人の学生と2人の労働者たち。その姿を五月革命当時の白黒映像とともに綴った映像叙事詩。毎年二作、コンスタントに映画を撮り続けたJLGの作品群はヌーヴェルバーグ世代の作家の中でも最も順調に成功を収めていたかに見えた。しかし1967年夏、一方的に商業映画との決別を宣言したJLGは一旦『ウェークエンド』で一つの高みに昇った流れを完全に断ち切る。直接的には五月革命に付随するカンヌ国際映画祭粉砕事件がこの決定的な契機となる。トリュフォー、ルルーシュ、ルイ・マル、ポランスキー、フォアマンら当時世界の映画界をリードしていた若手監督たちが、上映と審査の中止を求めストライキを起こす。その結果、68年のカンヌ国際映画祭は中止に追い込まれた。このことはJLGにとっては完全な勝利だと思われたが、それぞれの政治的スタンスのズレは決定的となり、親友だったトリュフォーと決別。それが原因でヌーヴェルヴァーグは終焉を迎える。毛沢東主義を掲げた『中国女』で既に政治的なスタンスで映画と向き合っていたJLGはこれ以降、商業映画には完全に背を向け、自らの政治思想を発表する手段として映画を撮ることになる。その際、JLGの署名は捨て、ジガ・ヴェルトフ集団を名乗り、匿名的な活動を続けていく。本作はその最初の1本となった。

 登場人物は3人の学生と2人の労働者たちで、最初から最後まで草むらで五月革命に関するディスカッションを行っている。切り返しやショット割りなど、およそ商業映画が持つべき要素を全て捨て、5人の表情や身振り手振りは一切出て来ない。40分過ぎにわずかに労働者の顔が確認出来るが、3人の学生たちは後ろ姿だったり、首から下のショットだったりして、あからさまにフレームから外されている。五月革命という同じ題材について話しているのに決定的にすれ違う3人の学生と2人の労働者の政治思想と解釈。それが台詞を順番に読むのではなく、即興的な議論が続くから、どの声が誰の声なのか純粋に耳をすませなければならない。ルノー・フラン工場の労働者とナンテールの学生は互いの連帯を模索し合う。ここでは5人に明確なキャラクター設定も当然ない。おそらく台本もなければ、リハーサルもないだろう。だからこそ生々しく言葉が響いたり、響かなかったりする。そしてその議論の途中に唐突にインサートされる五月革命のモノクロ映像。これも議論の中に出て来た言葉と必ずしも関わり合いのないところで唐突にインサートされる。美しいというよりは、淡々とした記号的な記録映像の数々。一応クレジット上はゴダールとリュプチャンスキーの署名になっているが明らかに匿名の誰かが記録として撮り貯めた映像を使っている。そもそもこの映画の中には、過去のモノクロ・フッテージを除いて人物の運動がどこにもない。草むらの中に、無造作に置かれた固定カメラには演出がまったく介在しないし、5人の人間の署名も一切の運動もみられない。
面白いゴダール。いや決してその激しい思想に共感できるような代物ではないけども。マシンガンのごとく撃ち放たれる挑発的な映像の断片と言語の断片の衝突、色彩とテキストの融合には本来そこ一本で貫き通すべきだったゴダールの唯一無二なセンスが久々に感じられた。制作を依頼してきたテレビ局から放送拒否されてるのがなんかもうウケるし、この権利を買い取って初公開したのが西ドイツの会社という事実も分かりやす過ぎてウケる。
【対話で紡ぐ2人だけのイマジネーション回天】
さすが革命と芸術とアムールの国の人…とてつもないセンス。
映画開始1秒であの日ディスクをレンタルして良かったなって思いました。
始まりから目一杯のゴダール。
キレッキレのスタイリッシュ映像&音響祭り。

"私たちは
映像と音を解体するの"
何これすごく自由で楽しそうじゃん!

そしてとにかく言葉遊びのレベルが高い。
フランス語なのにゆっくり喋る親切演出。
まるで幼い子供に言い聞かせるみたいに。
かと思ったら洪水のような早口。
数字の大群。闇と光。
韻を踏みまくる。
ゴダール監督はラッパー。

ちなみに他の監督作の時も思ったのですが今回も例によってゴダール監督作品のお初感想文なのだから「勝手にしやがれ(1960)」とか「気狂いピエロ(1965)」あたりから投稿すれば良いのに。
しかしこちらの作品をあえて推したいのです。
言語化が難しいけれど本当に大好きな映画です。
60年代のファッションも可愛いかったなー!
観てる方が少ないのでもっと広まって欲しいと思っております。

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