アンソニー・クインをはじめとする名優たちの演技で最後まで見れるけれど、この時期のオールスター大作らしく大味なので途中から飽きてくる。それと主役のアンソニー・クインに信念や感情が感じられないため、依頼された要人護衛の仕事を状況に流され淡々とこなしている印象になってしまい物語を引っ張る牽引力が無いのがマイナス。途中の山場である危険な山越えも、「何となくやってたら越えました」的な処理で済ますのはどうかと思ったりする。
それと途中逃亡者ジェームズ・メイソンの娘をナチスSS党員のマルコムが犯すシーンがあるのだが、娘がクインに救出されてから特にその事を膨らませず逃亡のドラマに戻る大雑把な流れにビックリ。どう見ても製作者側が「エロシーンを入れよう」ということで無理矢理ぶちこんだとしか思えない。
そうした大味な映画を引っ張るのが悪党マルコム・マクダウェルの熱演である、残虐な拷問や過激な発言など彼の一挙手一投足に映画らしいケレンがあって目が離せなくなり、垂れ気味な映画を引き締める。ラストの芝居はもはやマルコムの独壇場。
そしてマルコムのパンツのインパクト。