マヒロ

ディフェンドー 闇の仕事人のマヒロのレビュー・感想・評価

3.0
『スーパー!』にも通ずるお手製ヒーローもの。ただ、底抜けの狂気を描いた『スーパー!』に比べると、こちらはかなり哀愁漂っている。

ウディ•ハレルソン演じる主人公はちょっと知恵の遅れた中年男性で、子供の頃から好きだったヒーローに憧れて自警活動を始めるんだけど、これが弱い!
武器はビー玉(投げてぶつける)や棍棒、蜂を入れた瓶などで、着けているのはヘルメットだけなので顔もほとんど見えている。いざ活動を始めると、大抵ボコボコにされるか警察に捕まるかのどっちか。もはやヒーローと言っていいのかどうかも迷うほど。

そんなわけで、悪いやつをぶっ倒すカタルシスみたいなのは全然無いんだけど、とにかく主人公のピュアっぷりが泣ける。行動原理はかつて母を殺したと言われる「暗黒街の総帥」を倒すことのみ。女に誘われても一ミリもなびかない。これぞヒーローの鑑!
…しかし、その過程で色んな人に迷惑をかけているのも事実で、力も権力もない人間が他人を裁くということがどれだけ難しいか、ということもしっかり描けていると思った。そこらへんは他の著名なヒーローさん達も同じ悩みを抱えていたりするんだけど、ディフェンドーに限っては全くそのことに自覚がないというのが斬新。たち悪いけど。

(2014.168)
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