ツネイシ

ディフェンドー 闇の仕事人のツネイシのレビュー・感想・評価

4.0
私の好物(笑)である変化球の
スーパーヒーロー映画。

主人公はスーパーパワーも
ハイテク装備も戦闘スキルも
無い キックアスやスーパー!
のようなパンピーがヒーローに
なっちゃう話ではあるが、

ディフェンドーになる主人公を
普通以下、明確にハンデのある
人として描いている。

その境遇ゆえに彼を支える
後見人的な人物が登場して、
正気の常識人が自警団ヒーロー
になる奴を客観的に眺める
常識的で『醒めた』視点が
常に存在している。
(完全に突き放してはいない)

完全に未熟でピュアな存在で
あるゆえヒロインになる娼婦
との交流も、セクシュアルな
ものが全く介在しない。
(会話ではエロでシビアな彼女の
生き様は語られるが、具体的に
ヤル所も無いし露出も無い)
彼女とはプラトニックで、
何でも話せる友人関係に
なっていく。

彼女にヤクを止めるように
諭すと、ヒーロー辞めない
の?と返されて、正直に
ありのままの自分で生きるの
が辛いと告白するくだりに
グッときましたよ。

始めはイカレた奴がヒーロー
ごっこしてるのを笑う、
みたいなノリですが
段々彼や彼に関わる人達に
真面目に共感していく展開に
なっていき、さらに彼の奇行
も普通に司法に裁かれる。

後見人のおじさんが身元を
引き受け、彼がムショに
送られないように必死に
庇い、主人公にヒーローを
止めるよう諭すシーンも
泣かせる。

オジサンの願いも空しく、
悪を裁く為に最後の闘いに
赴くディフェンドー。

そしてヒーロー物なのに
アッサリ返り討ちにあう彼。

彼のおかげでマフィア達や
悪徳警官は御用になって
彼の犠牲は市民たちに讃え
られたりするんだけど、
その中に

『アレな人でも正義を貫いた
のだから、マトモな俺たちは
もっと頑張ろう!』

的なコメントがあって
すごく哀しい気分になった。
ツネイシ

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