huluにて視聴。
主演はウディ・ハレルソン。ちょっとトチ狂った役やると本当に巧いですね。
「マイティ・ソー」ではコメディリリーフみたいになってるカット・デニングスが共演しています。
少し社会適応能力に問題はあるけれども正直者で純粋なアーサーは人からも好かれる男。
昼間は工事現場で働くけれど、夜になると黒のコスチュームに身を包み、ひとり自警団として街をパトロールする、自称スーパーヒーローのディフェンドーに変身する。
彼の目的は街の平和と、自分のママを「殺した」暗黒街の総帥を倒すこと。
ある夜、売春婦を「助けた」ことから、謎の存在であった総帥の事を知ることになったアーサーは、勇んで自警行動を過激化させてゆくのだが・・・・・
どこか、ジェームス・ガン監督の「スーパー!」に似たテイストの自称ヒーローモノ。
「スーパー!」も希望と絶望が入り混じった内容ですが、本作もそんな感じのダークテイストです。一部ではコメディと言われていますが、観た感じほとんど笑えるシーンはありません。
ディフェンドーの使う武器がパチンコやビー玉、蜂(!)とかだから、「ヒーローモノのパロディ」として捉えられているのかもしれませんが、それは間違った認識だと思います。
主人公のアーサーは、パロディとして自警行動を始めていませんし、彼は純粋で子供のまま大人になったような人間なので、あくまで本気で活動しているんです。
「キックアス」は半分パロディやコメディと思っても良いでしょうが、本作や「スーパー!」は作品全体を覆う空気感からして笑えるような映画では決して無いですね。
まあ、「スーパー!」で、レンチで相手を散々殴るのは、別の意味で笑うしかありませんでしたが・・・・・
また、アクションらしいアクションがホンの少ししかないので、アクションモノでも無いです。ディフェンドー自身、めちゃくちゃ弱いので(最後まで弱い)、爽快感は期待してはいけません。
違う角度から観たら、「変なコスプレしたイカレ親父が夜な夜な徘徊している」ようにしか見えない映画なんですが、それでも最後には荒んだ街の人びとの意識を少しだけでも改革するわけですから、そんなヒーローらしい展開がまるで無く、ヒーロー自身の内輪の世界だけに終始した「スーパー!」よりかはヒーローしていたかもしれませんね。
少なくとも、カット・デニングス演じる売春婦のキャットの人生は救えたと思いますし。
面白いか?と訊かれると答えに困ってしまう類の映画だとは思いますが、時にはピュアな心が人を救うことにもなる、そんなファンタジーを感じるのも良いと思いますよ。