Hagieen

スウォーズマン/剣士列伝のHagieenのレビュー・感想・評価

スウォーズマン/剣士列伝(1990年製作の映画)
3.7
ツイ・ハーク、チン・シウトン、レイモンド・リー監督。サミュエル・ホイ主演。
当初は原作者・金庸の意向でキン・フーが監督を担当したが早々に降板。

華山派のリンは邪派と言われるコクと知己となる。
正派・邪派との対立、ラム家に伝わる辟邪剣譜、さらには葵花宝典をめぐる争奪戦に巻き込まれていく。

金庸原作の「秘曲 笑傲江湖」を映画化。中華圏では何度も映像化されている作品。
自分が金庸の武侠世界を知ったのがこの「スウォーズマン」からで、この魅力的な世界の虜となる。
公開された90年代初頭では金庸の小説はまだ翻訳されておらず、断片的な情報は映画から知るしかなかった。
後に翻訳された原作を読み、後年TVドラマ化された「笑傲江湖」のVCDを輸入して観るほどハマった。
今ではそういったTVドラマも日本で翻訳されたDVDの購入も可能だし放送されるようにもなったが、当時は未知の世界だったわけである。

さて本作の主人公・リンを演じるサミュエル・ホイは本業は歌手なのだが、「Mr.BOO!」シリーズなどでトップスターとなる。
兄マイケル・ホイとは違い、甘いルックスで主演映画も多い。本作はそういった流れでのキャスティングだと思う。
さらには歌神として知られるジャッキー・チュンがオウヨウとして出演。
若い時分のジャッキー・チュンは狡い役が多く扱いがヒドイのだがw、でもハマっているんだよなぁ。

原作読んでキャラと話と世界観を把握した今から観ると、本作のキャラ名がカタカナ表記で広東語読みがキツイ。中国のTVドラマで北京語読みでキャラ名覚えたのでさらに困惑というw
「リン」っていうと「令」なのか「林」なのか、ああ広東語だから「令」なのか?。北京語読みでもリンだよな。ああ「林」は広東語だとラムか・・・とか。
中華圏の人物名は漢字表記にルビ振るとかしてほしい。

で、どういうわけか本作の続編はキャストが一新される。
ジェット・リーが令狐冲やることでアクション性は爆上がりし、
ロザムンド・クアンや東方不敗演じるブリジット・リンで大ヒットをするがそれは別の話。

自分的には2000年の張紀中版のTVドラマが秀逸でお気に入り。
音楽やロケーション、アクションなど世界観として進化しているし合っていると思う。
ただそれも本作「スウォーズマン」あってのことで、それまでのチャンバラから、ワイヤーワークを駆使した外連味ある中華剣劇アクションの基盤は本作あたりからだと思う。そういう意味で価値ある作品。
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