Toineの感想文

グロリアの憂鬱/セックスとドラッグと殺人のToineの感想文のレビュー・感想・評価

3.7
【アルモドバル流の貧困層の日常】
色々な監督の初期作品を観るのにはまっています。
今回はスペインのペドロ・アルモドバル監督の初期長編を鑑賞いたしました。

アルモドバル監督の作品には好き嫌いが分かれそうな美し過ぎる変態映画という印象を持っています。
こちらの作品も主人公家族やご近所さん達全員が変人で癖が強くて初期作品から既にアルモドバルでしかなかったです。
監督のどの作品を観ても色彩感覚が綺麗だし毎回謎のセンスを感じます。
血糊の使い方も地味に好き。

貧困家庭の薬中ヒステリーな母親の鬱積を描いているのに悲壮感とコメディが同時進行しテンポが良く途中でまったくダレないというバランス感覚に優れた作品だと思いました。

貧乏で夫や姑からもイビられる不幸な主婦が奇人変人と交流しながら殺人など犯しつつ自由を手に入れる自立成長物語って解釈いたしました。知らんけど。
特典映像の"ビデオ発売予告"がシュールで面白かったです。