爆裂BOX

ファイナル・デッド ダーク・ウォッチャーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.5
白い部屋で目覚めたケイトは、自分に関する一切の記憶を失っていた。さ迷い歩く彼女は、やがて自分と同じような状況に置かれた人達と遭遇し…というストーリー。
「SAW」のようなシュチエーションスリラーとモンスターパニックを合わせたような作品。タイトルに「ファイナル・デッド」とついてますが、当然ながらウェス・クレイヴン製作総指揮の狂犬パニックとは何の関係も有りません。
謎の施設で記憶を失って目覚めたケイト達は施設からの脱出を目指して彷徨うも、影のようなモンスターが現れて次々と襲われていくという内容です。
前半の真っ白い小部屋で下着姿で記憶を失って目覚めて、謎の音に怯えながら同じような状況の男女と出会い施設からの脱出や自分達の記憶に関する情報を手に入れようとする所は謎に満ちていてこの先どうなるかの期待もあって楽しめました。
登場するモンスターはドラマ「LOST」の煙の化物といった感じでCGもあまりいい出来ではないですが、見知らぬ施設からの脱出と怪物からの逃亡という二重の危機による緊迫感を味わえます。壁に映ってる影が移動して集まって来て、人型になってそこからトゲのような物が飛び出して串刺しにされたりする所や、手で払っても触れないけどあちらの攻撃は通じる所も無敵感感じさせて面白いですね。人の影にトゲが生えたりする所もちょっとぎょっとします。このシャドーモンスターの目線の映像は「プレデター」感感じさせますね。
登場人物も出会う人はたとえ拘束されてる危険人物の可能性があっても助けようとする主人公のケイトや、冷静に行動してケイトをサポートして助けるジャック、メガネ青年チャーリーに強気なようで弱気な黒人女性や暴力的な囚人、初登場シーンでいきなり全裸でプールで泳いでたりぶっ飛んでる感じのセクシーなモデル等それなりにキャラ立ってたと思います。セミヌード披露する色情狂のモデル役のナターシャ・アラムは「バイオハザード6」のヘレナの顔モデルやった人でもあるんですね。ホラーファンとしてはトニー・トッドの登場はそれだけで嬉しいものがありました。囚人で暴力的だけど結構協力的なキャラでしたね。
記憶を消すことが出来る機会が登場しますが、機械を使用回数が八回で、死んだ者も含めて施設内にいたのが9人なので誰か一人が記憶をなくしたと嘘をついていると疑心暗鬼になっていく所も面白いんですが、割とアッサリ黒幕判明するのでもうちょっと引っ張って人狼ゲームみたいな疑心暗鬼ドラマやっても良かったんじゃないかとは思いましたね。
後半の謎解きで明かされる怪物の正体は人によってはガッカリするかもしれません。個人的には許容範囲内でした。というかイマイチよくわからなかったな。
後半の脱出劇も盛り上がりますし、生き残る人選も意外なものがあったので楽しめました。あの人は絶対即死か途中で死ぬと思ってたので…
ソリッドシュチエーション物にモンスターぶち込んで、個人的には結構楽しめた作品でした。