こぅ

スキン・ゲームのこぅのレビュー・感想・評価

スキン・ゲーム(1931年製作の映画)
3.9
神様ヒッチ監督による、
【ブリティッシュ・ヒューマン・サスペンス】。

スキン・ゲーム=イカサマ、詐欺ゲーム。


ヒルクリスト家とホーンブローアー家は、土地を巡って争っていた。
ホーンブローアー家によって追いつめられたヒルクリスト家は、最後の手段としてホーンブローアー家のチャーリーの嫁の◯◯を使い、ゆすりをかけることを計画する…。


冒頭のシンメトリー。

序盤から
両家の土地を巡っての戦線布告。テンポ上々。

ヒルクリスト(C・V・フランス)の主観景色をそのまま競売会場のポスターに繋げる演出センス。
セントリーの土地が競売にかけられる事になった。
ヒルクリストがホーンブローアー(エドマンド・グウェン)より高値で落とせば阻止出来るのだ。
会場前、ホーン家の長男、チャーリー(ジョニー・ロングデン)の嫁、クロエ(フィリス・コンスタム)をヒルク一家が無視したところから火花が散る。
その会場には、クロエにとってワケあり男も来ていた。
競売が始まると、雑ながら長回しの高速パンで、緊迫感を演出し、落札のオチ も用意されていた、三谷幸喜への影響もありそうな見どころシークエンスになっている。
ここからが本当のガチ戦に入る。
ヒルクの妻、エイミー(ヘレン・ヘイ)にしろ娘のジル(ジル・エズモンド)にしろ強気な女性像。

卑劣ながら 切り札 が出される‼︎
逆に言えば、
この 切り札 が無いとサスペンスとしても映画としても成り立たない‼︎

クロエとヒルク家の代理人、ドーカー(エドワード・チャップマン)との会話シークエンスでのスポットライトは 色気(エロっ気)がある。

終盤の展開から
敵対する両家のジルとロルフの仲は、放置か⁈と思われたが、しっかり絡めてくるあたりは流石で抜かり無いな〜


ラストは 正にバッサリ の満点ショット‼︎


喧嘩両成敗、
善人でもやり返すには悪人にならざるを得ない。
そして、争う、対立する人間の愚かさ、みにくさが出ている。
無惨で後味が悪い=悲劇しか残らない。
ある意味、善人まで巻き込み、、
これは、ヒッチ監督の描いた身近な 戦争の隠喩 と捉えた。
こぅ

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