カニパン食べたい

アングスト/不安のカニパン食べたいのレビュー・感想・評価

アングスト/不安(1983年製作の映画)
4.1
観ている最中から原題が気になって、鑑賞後にググったらそのまんまの「Angst」。これしかないよねというタイトルだと思う。
殺人描写もアレだけど、それよりもこの、映画全体を覆う心象としてのAngstが怖い。彼の生い立ち、そして殺人後の万能感のあとにまた緊張が訪れるというモノローグ。そういうのにめっちゃAngstを感じた。

それってただの「不安」だけではないニュアンスが含まれる言葉で、ではどんなニュアンスなのかといえば、観ている最中にわたしが感じた不快さ、ぎこちなさ、息苦しさや不協和音がそれなんだろうと。

なにが厭かって、この映画が映像化しようとしたAngstは襲われる側のではなく異常者側のAngst。観客が異常者の異常思考に無理やり同調させられるような不快感があった。ポスターもすげー怖いな。

ところで80年代の邦題は
「鮮血と絶叫のメロディ 引き裂かれた夜」だって。
も〜台無し! バカ!