しろくま

ファーザー・クリスマスのしろくまのレビュー・感想・評価

ファーザー・クリスマス(1991年製作の映画)
3.8
《着いたぞ。止まれ。やれやれ》
〝さむっ、足が凍えちまった。さあ、トナカイたち、いっぱいお食べ。そりを片付けて、これで今年もおしまい。無事済んだ。あー疲れた。ストーブはあったかくてホッとするなあ〟

サンタクロースのおっちゃんが、クリスマスイブの夜に子ども達にプレゼントを配って、明け方に我が家に帰ってくるところから始まる本作。さぞかし、大事な仕事をやり遂げたという達成感に溢れているのかと思ったら、寒かったとか疲れたとか愚痴を言ってて、まるで仕事帰りのサラリーマンと一緒。

そのことを察したのか〝分かっていますよ。疲れた顔をするなと言いたいんでしょ。1年にたった一日しか働かないくせにって。でも本当は、そんなにのんきな暮らしじゃないんだよ〟って言って、どれだけ大変なのかをアピールしているのだけど、それほど大変って感じがしないんだよなあ。

子ども達へのプレゼントを手作りして箱詰めしたりラッピングしたりしているのかと思ったら、電話1本でお取り寄せしていたしね。結局、そりをキャンピングカーに改造して、いろんな国を旅して回るというお気楽ライフ。真っ赤なサンタの服を着ていないと、ただの人間味あふれるおっちゃん。そのダメっぷりに自分を重ねて共感しまくり。

本作は、プレゼントを配り終わって家に着いたところから始まるけど、絵本〝さむがりやのサンタ〟は、12月24日の朝目覚めるところから始まる〝お仕事サンタ〟。愚痴を言ったり文句を言ったりして、やる気がないように見えるけど、きっちり仕事をしてトナカイたちにも優しいとってもいい人。絵本の原題は、本作と一緒だから、スタートポイントが違うだけだね。バカンスを楽しむお気楽ライフなサンタのエピソードの元ネタは、絵本〝サンタのたのしい夏休み〟。絵本は、漫画のようにコマ割りをして描かれているので、お子ちゃまにもお勧め。

視聴メモ:2023.12.24/190/図書館DVD
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