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怒霊界エニグマのadeamのレビュー・感想・評価

怒霊界エニグマ(1988年製作の映画)
2.0
ルチオ・フルチが晩年に放ったオカルトホラー。
イジメの末に交通事故で昏睡状態に陥った少女の生き霊が他の少女に乗り移って惨劇を繰り広げる物語です。
タネを早々に明かした上に、イジメられたことよりも性欲を満たせなかったことの方が恨めしかったように思えてしまう展開は何とも不器用な語り口に感じてしまいました。
有名なカタツムリのシーンもこれまでフルチが撮ってきたゴア描写の数々に比べてしまうとインパクトに欠けます。
終盤にようやくスプラッタにエンジンがかかり始めるのですが、怨みの前フリが弱いので復讐のカタルシスが弱いのも難点だった気がします。
ただ代わりに笑える場面は多かった印象で、首なし死体の迷宮に入り込むシーンはそのテンポの良さが最高でしたし、尻切れとんぼの結末からの甘ったるい曲もずっこけました。
そして何よりポスターギャグにキレがあり、カタツムリを肩に乗せるロッキー、窓からの落下を誘って親指を立てるマーベリックと良い仕事をしていました。
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