すずす

うわさの名医のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

うわさの名医(1951年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

主演ケーリー・グラント、ハリウッド黄金期の名匠マンキーウィッツ監督による舞台劇の映画化。医者が治すのは病ではなく心という型破りさで愛されている医師で大学教授。彼を嫌う教授が、過去の違法診療、犯罪者の隠匿などで糾弾し、懲罰動議が提案されて…

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以下は物語の詳細。

プレトリウス博士は医学部で教える教師。学校ではオーケストラの指揮者で、経営するクリニックは型破りな診療で人気を博していた。しかし、彼を毛嫌いする同僚エルウェル博士は、彼の不穏な噂を聞きつけ、プレトリウスの下で働いていたメイドを探り当てる。プレトリウスの付き人シャンダーソンに暗い過去があると聞き、調べはじめる。

一方、授業中、聴講生の美女デボラが講義中に失神、プレトリウスは彼女に妊娠を告げる。デボラは未婚で、胎児の父が誰かは明かさず、更に、彼女は帰りがけに自身を銃で撃って、傷を負う。傷は軽かったが、プレトリウスは妊娠検査が誤っていたことを詫びるが、彼に恋をしたデボラはクリニックから逃げ出してしまう。

プレトリウスと付き人シャンダーソンがデボラの家に行くと、人生に失敗した父がデボラと肩身の狭い思いで、ケチな弟の扶養家族として暮らしていた。父にとってデボラは唯一の希望で、プレトリウスは妊娠や銃撃を告げられなかった。プレトリウスはデボラの気持ちを察し、搾乳スペースで二人はキスを交わし、彼は求婚する。

夫プレトリウスと暮らし始めたデボラと父。デボラがノアに妊娠の兆候を告げると、夫は出産予定が9月だと告げる。同情心から結婚したとショックを受ける彼女を、プレトリウスが説得する。

シャンダーソンが街中で急に写真を撮られる。エルウェル博士がプレトリウスの家に来て、面会を要求するが、デボラが毅然と応対。彼は夫のやましい過去に関して、公聴会が開かれる旨を告げ、書類を置いて帰る。その時、プレトリウスと父、友人はジオラマでの電車走行に夢中だった。

公聴会で、プレトリウス公聴会は医療行為の資格を取得する前、田舎町で肉を販売しながら医療行為を行った過去を語る。それ自体は違法ではなく、更に、メイドに学位取得前だとバレて町を離れた経緯を説明した。
次に、宿敵エルウェルはシャンダーソンは殺人罪で起訴されている男だと追及すると。、シャンダーソン自身が現れ説明を始める。
シャンダーソンは、恋人と友人と三人で山に行き、友人と喧嘩になり殴りつけ死亡させた容疑で15年間服役させられた後、友人が実は生きていて、恋人に嵌められたことを知り、今度は本当に友人を殺害し、死刑を宣告され、執行されるが死体となって運ばれた、実験用の検体として運ばれたプレトリウス医師の下で、彼は
蘇生したのだった。その為、生存を秘密にし、シャンダーソンはプレトリウスの付き人兼、友人となったのだ。
公聴会が終わると、演奏会を待ちわびていた学生たちがプレトリウスを温かく迎える。友人のコントラバス弾きライオネルが、プレトリウスの指揮でブラームスの学術祭序曲「ガウディアムス・イギトゥール」を奏でるのだったーーーーーーーーーーーー

舞台の映画化で、映画的な工夫に欠ける気がしたが、制作意図は赤狩りへの対抗意識だったと知り、膝を打って得心した。
ハリウッド深し!
モテ男グラント、名匠マンキーウィッツ、伊達に成功者となったのではない。
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