以前ふむふむと観ておわりだったのが、白夜を体験してから舐めてた自分を知った。
発狂はしてないけどじわっと変な自覚はあって、現地の家は当然遮光カーテン完備だというのに妙に眠れない。そもそも22時くらいにお昼みたいな川べりでピクニックしたのに24時に寝支度してベッドに入ったらバグってしまう。なのにその土地で育った当時の恋人はすやすや寝てるし、やめておけばいいのにカーテンを開けて外を覗くと誰も出歩いてなくてちゃんと深夜。その時間帯は明るいというよりたしかに白い。この世で眠れないのは自分だけみたいで宙ぶらりんな感覚になっていく。ふと時計を見ると午前3時すぎ。とにかくアイマスクをしてベッドに戻るけど浅い眠りが続く。やがて自律神経が乱れて食欲がおちちゃうから大好物を出されてもちょびちょび齧るだけだし、そのくせ明るい深夜に突然「お腹すいた」って冷蔵庫を開けるから胃腸も混乱する。そんな体たらくなのでつねにうっすら不調で無気力だった。肌も荒れたし。今あの頃の日記を読み返しても白夜の時期だけなんにもしてない。すごいよ。スカルスガルドのような後ろ暗さも罪悪感もないのにほんのり追いつめられちゃってる。
白夜に慣れてない人間ってここまで弱いんだね。こわかった。ほんと傲慢だった。だからこれはいリアルな恐怖だと思う。
