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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップのpikaのレビュー・感想・評価

4.5
まさかの映画!正体不明の芸術家バンクシー本人が出てきて「僕の映画を作ろうとした男のドキュメンタリーだ」って話して「は?」って思ったらまさにその通りの映画で衝撃。冒頭からエンディングを絶対に想像できない嬉しい驚きに満ちた傑作。
見たあとこの映画について悶々と考えてしまうくらい余韻が残った。後半は先がどうなるのかわからず、ドキュメンタリーの枠を超えたドキドキハラハラ感が凄かった。
割と直接的な批評というか文句というか、道化ギリギリなところで問題を個人レベルから芸術とはってどデカいレベルにまで引き上げたのが凄い。オーソン・ウェルズの「フェイク」現代版。「フェイク」は過去の話だったけど、これは未来を作った話なんだ。
芸術とは、だけじゃなくドキュメンタリーとはについても切り込んでる。手を加えたらドキュメンタリーじゃないのか、それでも実際に芸術家が生まれたならば真実じゃないのかとか、模倣や真贋、価値など、アートに関する切っても切り離せない問題が根底にあってめちゃくちゃ面白い。
バンクシーのインタビュー部分が親切設計で、色々説明してくれつつも惑わしてくれてて、いいスパイスになってる。何よりもティエリーが終始大真面目で、最後まで真剣に取り組む姿に説得力があって、彼が被写体だからこそ成功してると思った。それに留まらず最後の最後にそんなティエリーに対する関係者の反応を持ってきたところもむちゃくちゃ好き。全編皮肉に満ちたドライさも好き。
WOWOW録画で見たんだけど、途中映像が乱れまくって見れなくなる箇所があった。永久保存したいので再放送お願いします!!
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