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ヴァニナ・ヴァニニの映画情報・感想・評価・動画配信
ヴァニナ・ヴァニニを配信している動画配信サービス
『ヴァニナ・ヴァニニ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?
動画配信は2024年3月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次
ヴァニナ・ヴァニニが配信されているサービス一覧
ヴァニナ・ヴァニニが配信されていないサービス一覧
ヴァニナ・ヴァニニの評価・感想・レビュー
ヴァニナ・ヴァニニが配信されているサービス一覧
『ヴァニナ・ヴァニニ』が配信されているサービスは見つかりませんでした。
ヴァニナ・ヴァニニが配信されていないサービス一覧
『ヴァニナ・ヴァニニ』に投稿された感想・評価
ゆっきーの感想・評価
2021/07/03 23:16
4.5
メロドラマ。貴族社会にウンザリしている貴族の娘が、地下組織の活動家をかくまい恋をする話。スゲーベタであり、ロッセリーニはなにも特別なことをしていないように見えるのだが、ただただ傑作。愛に生きる女と、個より世界をとる男の話だ。
セット、コスチュームにもなんの手抜きも抜かりもない。箱庭のような舞台が素晴らしい。レンツォ・ロッセリーニの過剰な音楽も、ネオレアリズモ作品には正直合わないが、この映画にはぴったりくる。
ラスト、死刑台に送られる男と、激情のまま走って修道院に駆け込む女は、異常に遠景で撮られる。
半開きになった修道院の扉の向こうから、俗世である画面手前を一回振り返る女のラストカットが鮮烈!
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映画漬廃人伊波興一の感想・評価
2023/06/27 23:55
4.1
日本の武士道に触れるのにも似た余韻
ロベルト・ロッセリーニ
『ヴァニナ・ヴァニニ』
円熟期ロッセリーニの歴史メロドラマの集大成。
ウィーン体制下のイタリア、貴族社会の進歩的なご令嬢とイタリア史で有名な反体制地下組カルボナーリ党の悲恋物語。
図式はオーソドックスですが型通りの余韻など微塵もありません。
貴族文化に根ざした生活様式の保守性と時代の改革を目指す理想性を、ロッセリーニ独自の倫理で描き切った第一級品。
因習と打算の中で、尚も若い男女の情念がどうしようもない生きものとして立ち現れるさまは、定石どおり悲劇的結末なのに、生動する条件と戦いながら可能性を広げていく日本の武士道に触れるのにも似た余韻がありました。
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YasujiOshibaの感想・評価
2022/08/25 00:34
-
イタリア版DVD。日本未公開。日本語字幕版もない。このこのろロッセリーニはほとんど見ていなかったので、以前にプチ・ロッセリーニ祭りをやったときに購入、積読。今回またロッセリーニを取り上げることになったので、ようやく鑑賞。いや、いいじゃないですかこれ。『ローマで夜だった』(1960)のズームを使った語り口もよかったけど、こちらはカラーになって、スクリーンプロセスなんかも多用していて、さらに語りがスムーズになった感じがする。
『インディア』(1959)を撮ったロッセリーニは、その後、息を吹き返したように歴史ものの商業映画を立て続けて発表する。まずはデ・シーカ主演の『ロベレ将軍』(1959)。そしてジョヴァンナ・ラッリで『ローマで夜だった』(1960)。どちらも、ドイツ占領下における力強い物語。そこからぐっと歴史を遡って、『Viva l'Italia!(イタリア万歳!)』(1961)では、1861年のガリバルッディと赤シャツ隊のシチリア遠征を描き出す。カラーフィルムを使い、これまでにないリアルな戦闘シーンをズーム(Pancinor)で捉え、実際にシチリアの現地で撮影を敢行。それをロッセリーニは「あとから撮り直したドキュメンタリー」(un documentario rifatto dopo )と呼ぶ。
本作『ヴァニーナ・ヴァニーニ』は、そこからさらに遡り、19世紀の初頭のウィーン体制下でのイタリアを描くもの。原作は1829年出版のスタンダールの短編。これにほぼ忠実に添いながら、ロッセリーニは独自の脚色を加えてゆく。ピーター・ブルネット(Peter Brunette )によれば、スタンダールが貴族のドンナ・ヴァニーナに大きく寄り添うとすれば、ロッセリーニは革命家(カルボナーリ党員)のピエトロにも、そして教会の側にも、ひとしく目を配り、それぞれの立場をセリフのなかに盛り込もうとしているという。その意味でこの作品もまた「あとから撮り直したドキュメンタリー」と呼ぶことができるのかもしれない。
以下、ストーリーを記録しておく。当然ネタバレあり!
1823年、ピウス7世が亡くなる。革命後のフランスとコンコルダートを結び、ナポレオンの戴冠式に出席、その後ウィーン体制が確立するのを見た教皇だが、大腿骨を骨折したことによって命を落としたと語られる。
そんな導入部、コンクラーヴェのためにイタリア中から枢機卿たちや大勢の外国人たちが集まってくる。その中に主人公のピエトロがいる。カルボナーリ党員だ。同郷の党員が密告され処刑され、裏切り者がローマにいると知り、正当な処分(=死)を下すこと。それが彼の任務。ところがピエトロ、任務こそ果たしたものの、逮捕され天使城に監禁されてしまう。
一方、ローマの社交上にヴァニーナ嬢(サンドラ・ミーロ)が登場する。その父を演じるのがパオロ・ストッパ。女好きの貴族、今日も浮気相手の伯爵夫人と相引き。娘には甘く、すっかり大人になってもまだ、膝の上にのせて抱擁する溺愛ぶり。そんなヴァニーナには婚約者もいる。しかし、どうしても好きになれない。ローマの男はみんな好きになれない。そう言うヴァニーナ/サンドラ・ミーロのつんつんした表情がよい。
このサンドラ・ミーロの演技は、当時のヴェネツィアでは酷評だったらしいけれど、今見るとすごく抑制が効いていてよい。その抑制ぶりがあるから、ネグリジェからその白い豊満な胸のエロスが際立つ。そのエロスの虜になるのが、カルボナーラ党員のピエトロ。彼は、天使城に捕まっていたのだが、怪我をしながらもうまく逃げ出し、運命の偶然で、ヴァニーナの看病を受けることになる。
ヴァニーナのほうでも、この革命家の純粋さに惹かれてゆく。そして、ついにふたりが結ばれたとき、どちらもこれっきりだと諦めることができない。信心深いヴァニーナにとっては、神の導きで出会えた愛。若いピエトロにしては、革命の理想と同じくらい抗いがたい愛。その1日で終わるはずだった愛は、あと数日、あと数日だけと、先延ばしにされ、ついには破局がおとずれる。
ピウス7世の後継として選出されたレオ12世は、カルボナーリやフリーメーのような秘密結社を公然と非難し、その逮捕に協力する姿勢をみせる。それまでカルボナーリたちは、1820年にはナポリで、翌年にはトリノで蜂起を起こしていたのだが、レオ12世となって締め付けが厳しくなり、それまでナポリだった本部をパリに移すことになる。
そんな時期にあって、ピエトロはヴァニーナの聴罪司祭が秘密結社の弾圧の職につくと聞いてこの若い司祭を誘拐し、教会を信じるヴァニーナは、ピエトロの命を救おうとして、彼の仲間の隠れ家のありかを密告してしまう。こうしてピエトロは自首。ヴァニーナが裏から手を回して彼と仲間たちの恩赦を求める。条件は改悛の情を示すこと。
もちろんピエトロは受け入れられない。その自由を縛る鎖で、ヴァニーナの肉体/裏切りを打つ。そうすることで、エロスの化身である彼女から自由となる。ヴァニーナはどうなるのか。
スタンダール原作では、彼女を好いていた貴族の求愛を受け入れ結婚することになるらしい。ロッセリーニのヴァニーナは違う。世俗における肉の愛をあきらめ、神のための純粋な愛を求めて、女子修道院の門を叩くのだった。
男性と女性、革命の理想とカトリックの信仰、ローマの堕落、堕落のなかにある希望。歴史の中のさまざまな要素に配慮しながら、妙にドラマチックになることなく、淡々と出来事をおいかけるカメラ。
なるほどロッセリーニは、ここでもまた「あとから撮り直したドキュメンタリー」(un documentario rifatto dopo )を目指しているということか。
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