櫻イミト

その場所に女ありての櫻イミトのレビュー・感想・評価

その場所に女ありて(1962年製作の映画)
3.0
1962年(昭和37年)制作。東宝のハードボイルドな女性ビジネスマン映画。

銀座の広告代理店に勤める27歳の律子(司葉子)は同僚の男たちと対等に渡り合いバリバリと仕事を進めている。現在は新発売の目薬の宣伝予算を勝ち取るべく、プレゼン用のプランをまとめていた。ある日、ライバル会社の坂井(宝田明)と知り合い二人で飲みに行くのだが。。。

まだ目新しかった頃の広告代理店が舞台であり、主人公が当時の女性ビジネスマンという異色の一本。シナリオも映像もクールな作風。それなりに物語の展開はあるのだが、メロドラマ要素もカタルシスもないため面白味は薄い。しかし主人公のキャラクターはしっかりと描かれていて、当時の女性の生き方の一例として、とても興味深かった。シャープな構図にも見所があり、映画としての完成度は高いと思う。

1964東京オリンピックを控えた当時のデザイン感覚がレトロでオシャレ。導入部は女性たちの男言葉に違和感がありとまどった。

■1962年の邦画
「キングコング対ゴジラ」
「ニッポン無責任時代」
「秋刀魚の味」
「キューポラのある街」
「椿三十郎」
櫻イミト

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