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秘密のTOTのレビュー・感想・評価

秘密(1992年製作の映画)
3.1
ブッカー賞作家グレアム・スウィフト原作。
妻の事件と生徒の問いを契機に、歴史教師トムが語り出すイングランド東部フェンズのある家族の物語。
二つの大戦と祖先、性と青春、神、水郷で揺蕩う魂。
いかにもイングランドらしい抑圧の歴史。
恐らくベストセラーの原作ありきで、わかるでしょ?とばかりに時間表現が自由で驚いた。
も少しうまいこと…と思わなくはないけど、原作は読みたくなる。

主役トムをジェレミー・アイアンズ、妻を実生活でも妻のシニード・キューザック。
生徒にイーサン・ホーク、トムの兄はデヴィッド・モリッシー、父にピート・ポスルスウェイト!まぁなんて豪華!
そしてGoTのサーセイことレナ・ヘディとマギー・ジレンホールのデビュー作でもあります。
マギーに気づいてから、ああそういえば監督はマギーの父スティーヴン・ジレンホールだったと思い出した。

ジェレミー・アイアンズはあの美声で生徒に語りかけて、とても耳に麗しいけど、どこか破滅的な香りのする危険な歴史教師。
あと、イーサン・ホークや全校生徒相手にグスンと涙ぐむ演技がおかわ。
ジェレミーは本当によく泣く。幸が薄すぎる……。

イーサン・ホークはお口が開きがちなかわいい生徒で、大勢の中でもひと際目立つかわいさ!
そうだった、この頃のイーサン恐ろしくかわいかった!!
ちなみに『秘密』は92年作なので『今を生きる』と『生きてこそ』の間くらいのイーサン。

足場の悪い沼地のようにグラグラした展開を支えるジェレミー・アイアンズと、何よりシニード・キューザックの迫真の演技が素晴らしかった。
シニード・キューザックの演技をじっくり観たの初めてだけど、すごい。
そりゃあジェレミーも、うちの奥さんかっこいいから似合うしって、シニードの為に城買うわなって、よくわからない納得をしました。
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