ゆきゆき

踏み切りのゆきゆきのレビュー・感想・評価

踏み切り(2006年製作の映画)
3.5
ビデオスルーのB級ホラー映画だけどなかなか面白かった。

田舎に引っ越した家族の下に帰ってきたヒロイン。その町ではかつてスクールバスと電車の衝突事故で多くの子供たちが亡くなったという痛ましい事故があった。そして事故現場の踏み切りで車を止めると、窓ガラスに指の跡が現れて勝手に車が動き出すという。ヒロインは怪奇現象を目の当たりにし、やがて事故に隠された町の暗部に迫っていく・・・。

踏み切りの怪談や設定はJホラーみがあってアメリカ映画としては新鮮。ゴーストストーリーと見せかけて、後半では謎の殺人鬼によるスラッシャー展開となりびっくり。節操がないとも言えるが、話自体はちゃんと整理してるので白けることはなかった。ヒロインは過去にドラッグのオーバードーズで死にかけた事がきっかけでこの世ならざる者が見えるようになったという、ちゃんとした理由付けがあるもの丁寧。またその過去故に怪奇現象のことを話しても誰にも信じてもらえずに、孤独を深めていくヒロインについ感情移入してしまう。

主人公を演じるリー・パイプスは当時17歳のようですが、演技がしっかりしてますね。現在までに映画やTVドラマとコンスタントに出演してるようですが、日本未公開作品ばかりなのが残念。また脇を固めるのもルー・ダイアモンド・フィリップスやサリー・カークランドといった実力派揃い。

B級ホラーではあるもののよく出来た作品だと思います。良い掘り出し物でした。
ゆきゆき

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