このレビューはネタバレを含みます
ファースト・シーンのさりげない酒場のシーンが中々良くて、このまま状況設定と状況描写だけで進んでくれれば良いなあ、変なストーリーは作り込んで欲しくないなあと思ったが、10分過ぎて期待は消滅。考えちゃいけないとは思いながらもデジャブーの雨。何のことはない、これは『ローズ』だった。
つまりマネージャーの亭主がアランベイツで、フレデリック・フォレストが歌手のボーの役所。亭主との仲違いが良く解らないなのは、これは流産もアル中もどうでも良い話で、アランベイツのような父性が必要だったということだろう。
ボーの役所が中途半端なのは、地獄の底まで突進するような恋愛がないからで、第一ニュートラルであるべきマネージャーが亭主じゃ話が変な方向に進んじゃう。『ゴシップ・ガール』のブレアはこれはパクリ隠しで、『イヴの総て』のアン・バクスターだったら面白い展開になる筈なんだけれど、殆どが刺身のつま扱い。そんなところで別のラヴ・アフェアー入れたら何が何だか解んなくなっちゃうだろうに。
『ローズ』なので、当然エンドで死ななきゃいけない訳で、そうすると『ローズ』のテーマソングくらいの鉄板ミュージックが必要な訳だが、そこはすっ飛んでボーとブレアのハッピーエンドでお茶濁しのエンド。残念。
昔の角川みたいな音楽タイアップで儲けまっせの冒険は買うにしても、それにしても悲劇性が足りなさ過ぎ。もうちょっとシナリオ勉強せんとね。成果はグウィネス・パルトローの歌くらい。但し、エンドの股開きダンスは余計。みっともないから止めて。