イチロヲ

夕陽の用心棒のイチロヲのレビュー・感想・評価

夕陽の用心棒(1965年製作の映画)
3.5
密偵として雇われた腕利きのガンマン(ジュリアーノ・ジェンマ)が、保安官の婚約者を救出するため、窃盗団の砦に潜入する。チャラくて狡辛いガンマンの世渡り術を描いている、マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)。

明朗会計なイケメン主人公が、無知蒙昧なブサイク悪玉を翻弄していく。ジュリアーノ・ジェンマの記念すべきデビュー作だが、個人的には「悪役界の重鎮」こと、フェルナンド・サンチョに関心が高まる。

ある行動理念のもとに銃殺をおこなう主人公、本能の赴くままに銃殺をおこなう悪玉、銃の扱いに慣れているが銃殺経験のない婚約者。この三者三様をうまい具合に取り入れながら、ドラマが進行していく。

悪人側の下卑た生態がしっかりと描写されているため、「映画で狂人を観ることほど、面白いものはない」の法則が全面的に機能している。「裏切ったら殺す!裏切っていなくても殺す!」が最高に笑える。
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