はるみ

ことの次第のはるみのレビュー・感想・評価

ことの次第(1981年製作の映画)
5.0
ずっと心にあった映画だった。
立ち行かない、場末感、諦観、あの感じ。

私は92年の生まれでこの世代は現実が頓挫している様から始まったように思う。
少し前まで確かにあった人々の熱、指針のようなものの跡を確かに感じるが目の前にはもう何もない。夢が弾けたのか、現実が弾けたのか。何方も同じ。地上を席巻していたという事実は変わらない。そして、我々はその後に産まれた。

アントニオタブッキとの親和性も感じる。ずっと神戸を定住地としていたが、今では離れてもこの作品のセル版があればいつでもここに帰ってこられると感じる。神戸はこの先、廃墟のようになる。
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