決して粗がない映画じゃない。
かったるい場面も多々あるのだが、後半は特に夢映画として自分が見たいものをかなり可視化してくれてて嬉しい。
これがあったからエルム街があるのかもしれないし、インセプションがあるのかもしれない。もっと言えばこれもオルフェがあったからあるのかもしれない。
ブルースリーの映画を6回見た男によるライトセーバーヌンチャクがすごい好き。
中々な悪役だけど好きなものと好きなもの組み合わせるだけというストレートなバカさ加減を愛さざるを得ない。
自信家の軽薄な超能力者に、夢に侵入する科学装置。夢の中ではキスする2人。蛇の悪夢を見る少年。夢で殺人を行う男に、大統領がすげ変わっても変わる事のない特務室の男。動き出した陰謀。
恐怖のスネイクマンがあまりに不格好で、時折クレイアニメでコチコチ動くのが何とも愛らしい。
なんともいえないシンセを効かせてへんてこになったジャズソングで締めるあたりもこの映画らしい。
自分は夢を題材にした映画にとても惹かれてしまうのだが、その理由がずっとよくわからない。
夢が人間が作り出した原始の物語だから、というのが今のところ1番腑に落ちるもっともらしい理由だけど、これも理由と呼べるものなのか。
いずれ人の根源に迫るような次世代SF作品が生まれるとすると、それは夢を題材にしたものではないかとずっと思ってる。
とにかく単純に気になる。好き。
夢の不思議が好きなのだ。
映画を好きであるように。
【名言語録】
ー冒険はきらいかい?
ーちょっと待って。
夢の方がよかったらどうしよう?