Benito

ドリームスケープのBenitoのレビュー・感想・評価

ドリームスケープ(1984年製作の映画)
3.7
【 日本未公開作品だけど、見どころはある 】

TV放送時は「ドリーム・スケープ/悪夢の殺人鬼」とか「地獄のドリームスケープ」としてベタベタなB級感にまみれてしまった隠れた佳作。(テンポは良くないけど)

夢のなかへ・・・というシナリオ、コンセプトはいいのに注目度が低かったけど、おそらく「ザ・セル」や「インセプション」に影響与えているはず。ただ、この映画の前年公開の「ブレインストーム」も類似作品として見ると、俳優が豪華な「ドリームスケープ」はセットや特殊効果の予算が足りなかったのかなと思ってしまうくらい格差があるような。

そう、俳優陣は凄い。
デニス・クエイド、そしてマックス・フォン・シドー(「エクソシスト」や「コンドル」)、クリストファー・プラマー(「サイレント・パートナー」や「サウンドオブミュージック」のトラップ大佐)、ケイト・キャプショー(「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」で、スピルバーグ夫人)、エディ・アルバート(「ローマの休日」のカメラマン」と、豪華。更にデヴィッド・パトリック・ケリーという主に80.90年代に活躍した曲者俳優が"スネークマン"こと超能力者トミー・レイ役で準主役級の活躍。ケリーはデヴィッド・リンチ作品や、シュワルツェネッガーの「コマンドー」で逆さ吊りにされインパクト残し、最近では「ジョン・ウィック」でも健在だったから嬉しい。

そしてサウンドトラックを「アラビアのロレンス」のコンポーザー大御所モーリス・ジャールに委ねたのに、気合いの入らない80年代の懐かしピコピコシンセサウンド!きっとオーダーした製作陣のセンスの悪さなのかもしれない。ただし、ジャールはその後「刑事ジョン・ブック」(1985)や「追いつめられて」(1987)、「ゴースト」(1990)、で活躍していたから、とりあえず安心した。
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