カルダモン

ドリームスケープのカルダモンのレビュー・感想・評価

ドリームスケープ(1984年製作の映画)
3.3
超能力を持つ主人公が相手の脳波を読み取り、波長を合わせることで他人の夢に侵入。悪夢の元凶となるトラウマを夢の中で撃退する。『パプリカ』や『インセプション』のルックスと比較するとだいぶ地味ですが、80年代作ということを思えば上出来。
発展途上の工夫と技術に80sならではの熱を感じますね。ところで夢の中で戦うという設定はどの作品が元ネタなんだろうか?もっと掘ってみたいけど手掛かりが、、、。『エルム街の悪夢』?

大統領が核爆弾の狂気にうなされて、夜な夜な繰り返される悪夢が非常に悪夢的。悪夢を終わらせたい、という核廃絶のテーマを文字通り悪夢の映像で見せてしまうアイデア、そして夢の中で大統領暗殺という展開が凄いですね。夢の中で死ぬと心臓発作でそのまま死んでしまうという設定もメチャクチャで面白い。
電車の中でゾンビの群れに追いかけられたり、競馬場でバイクチェイスしたり、細〜い闇の階段を延々と降りたり、人間が蛇男に変身したり。いくらメチャクチャでも「夢」というワードが全てを解決。なんてステキなドリームワールド。チープだけど、捉えどころのない夢描写をムリヤリ描こうとする姿勢は好きです。
シリアスな局面からエロい夢が混入してくるあたりもなかなか。女性の夢に夜這いってド変態ですね。

マックス・フォン・シドー、クリストファー・プラマーなどなど今でも大活躍の俳優がイイ感じの脂乗りで出演してるのも見どころ。


全体的にかったるい物語進行で、会話シーンが見事につまんないんだけど、要所要所に差し込まれる悪夢表現や、設定のクレイジーさが後味に残りました。