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ニースについての10000lyfhのレビュー・感想・評価

ニースについて(1930年製作の映画)
2.5
ジガ・ヴェルトフ「カメラを持った男」に明瞭に影響された、ニース版の都市生活描写サイレントモンタージュ短編。オープニングの空撮にはじまり、ざっくりと、ブルジョワ旅行者たちから(旅行者風女性の唐突なヌード、ワニの群を経て)、現地の庶民(物売り、賭博する人々、障がい者など)、仮装パレード、煙突など象徴的に意味ありげな映像、と推移する構成。撮影やポスプロ技術においても、ヴェルトフほどではないが、建物映像の画角を回転させたり、早回しやスローモーションを導入したり、意欲的。ダンスする女性らのスカートを下から撮影したり、女性彫像の股間に溜まる黒い水を撮ったり、エロティシズムを直截的に表現、稚拙な印象も受けるが、都市を満たすブルジョアな雰囲気への風刺なのだろう。ピアノ、ドラム、時々アコーディオンのイージーリスニングジャズ劇伴、1980年代以降のものでヴィゴの意志によるものではないが、違和感なく映画のテンションをキープする役割を担っていた
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