悠真

ニースについての悠真のレビュー・感想・評価

ニースについて(1930年製作の映画)
4.6
映像のコラージュ感のある映画なのに、アート的ではなくて、スケートボード動画のようなかっこよさがある
上に向けて地面にカメラを置いた画角や手持ちで動いているカメラ、遠くや上からの固定された画角、街の人をズームして撮ったカット、実験的というよりは遊び心のある変なショットがテンポよく切り替わる編集をされてることでそう感じると思う(サイレント映画タイプの字幕がないのも現代的な映像に感じさせる)
サイレント映画でサウンド版がDVDになかったから無音で観たけど、サウンドトラックは90sのアンダーグラウンドなヒップホップの方が映像に合いそう(ニースの海の映像が多いから西海岸を想起させるし)

早いフェードでショットが切り替わり、海辺の椅子に座っている女の人の服装が変わるシーケンスはカットバックを予感させるし、最後にいきなり裸になるセンスは気狂いピエロの冒頭を思い出させる

多分映画の主題だと思われる貧困層と富豪層の比較みたいなのは、そういうシーンがあるから表現したいことは伝わるけど、生々しく感じるとかではない

この映画のドキュメンタリー!って感じの撮り方はほとんどのヌーヴェルバーグに見られるから、ヌーヴェルバーグ好きテンション上がると思うからおすすめ
20分くらいだから当たり前のように2回連続で観ちゃった😽
悠真

悠真