〝吸い取るのはゴミだけなのか…〟
欲望丸出しの昔ながらの熱血中年男〝トミー〟は、社内の〝セールスマン・オブ・ザ・イヤー〟獲得を狙う掃除機のセールスマン。
掃除機を売るためには手段を問わず、マシンガンのごとくたたみ込む話術と肉体を使い街を駆け巡る。
様々な役柄をこなす演技派〝ティモシー・スポール〟を観るための映画とも言え、今回は破天荒で暑苦しく絶対に知り合いになりたくない男を演じている。
唾を撒き散らしセールスの御託をベラベラと新人セールマンに捲し立てるが、それが何故か少しづつ〝哀れな男〟ではないかと感じてしまう。
〝相手が欲しくないと思うモノでも売れ!〟
セールスマンは道に落ちている何の変哲もない〝石コロ〟でも売れ、なんて古い古い精神論的な手法がまかり通っていた時代もあったが〝トミー〟を見ると懐かしさと希少動物を見ているよう。
〝ゴミは吸い取れても、過去の人生は吸い取れない〟
そんな古い男の生き様をマジマジとコメディタッチで描いたダニー・ボイル監督の作品でした..★,