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美人ダンサー襲撃のhorahukiのレビュー・感想・評価

美人ダンサー襲撃(1977年製作の映画)
3.4
脚本なんて絶対に読むもんか!!

「今日は閉店しました」立ち寄った薬局でドア越しにそう言われた美人ダンサーが帰ろうとすると、中から女性の悲鳴が…。その後、薬局内で死体が発見される。自分に閉店を告げた男の声は殺人犯のものだったのだと気づいたダンサーが犯人につけ狙われるビド製ジャーロ。

『サスペリアPART2』影響下の模倣作。先ほどまで人がいた薬局内を急激に異界化させていく冒頭シークエンスのうまさもさることながら、被害者の寂しい後頭部をカメラにわざわざ向けさせてから、丸く禿げてる部分を狙って鈍器をクリーンヒットさせていくセンスが堪んない!これ絶対わざとやってると思う😂

その後も殺人が続き、被害者の共通点から犯人に迫っていく…というミステリの王道を進む手堅さがありつつも、その根源をナチスドイツにまで遡るのは、パーソナルな事情を深掘りするジャーロとしては珍しい気がする。

無言電話の背後から聞こえる音を解析することで犯人が伝えようとするメッセージを炙り出したり、完全に犯人に狙われてるのに絶対警察に行きたがらないオッサンの謎めいた部分とか、物語を牽引する事柄は散りばめられるのだけど、その分セリフ主導になり過ぎていて、映像的高揚感は薄め。

主人公のダンサーも継続して犯人に狙われ続けるからそれどころじゃないのもわかるけど、主人公のファンで、自分の映画に出演してほしくて必死に口説き落とそうとする新進気鋭の脚本家さんの脚本をどれだけ催促しても全く読もうとしない主人公さんの興味無さすぎる姿勢には流石に脚本家さん可哀想になった…😭
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