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ナイトメアのhorahukiのレビュー・感想・評価

ナイトメア(1981年製作の映画)
3.8
夢はなくせない…

洒落にならない嘘ばっかりついてオオカミ少年になったキッズのもとに、人を殺しては「許してくれ…」と言って死体に謝るイカレた殺人鬼が迫るスラッシャー。キッズも常軌を逸したイカレ具合なので、手斧で迫る犯人vsショットガンで迎えうつキッズという狂人vs狂人な勝手にやってろバトルがたまらない!

全くの偶然なのだけど、これも『暗闇…』と『夕暮れ…』がベースとした都市伝説を題材にした作品だったから驚き!更には精神病院から退院?した殺人鬼が襲ってくるという『ハロウィン』要素も多少あり…というかそこも含めて犯人に寄り添う『夕暮れ…』的な展開と近く、ジャーロとまではいかないながらも内面的気持ち悪さにメスを入れるようなグロテスクを感じさせてくるという過渡期を味わえる面白い作品で好み👍

殺人鬼テータムは子どもの頃に両親のSMプレイを目撃したショックでイカレて、そのまま両親を惨殺するのだけど、それが悪夢として大人になった今でも精神を蝕み、殺人衝動を抑えられなくなってる。一方、キッズのCJは父親がおらず母親は彼氏と出かけることが多いからか、親の愛情不足から来る孤独を根深く抱えていることがわかる。オオカミ少年的な嘘は母親の気を引くための方便なのであろうし、親に起因するトラウマ的感情を抱えた2人がどこかで共鳴していくかのような展開が面白い。行くところまで行った自分の将来像でもあるテータムを遠ざけようとするCJの海岸での双眼鏡は、心の平静を保つための自分に対しての言い聞かせでもあるのではないかと感じた。

だからイカレてるのが2人いるんで、殺人鬼が迫る恐怖演出でもキッズパターンによるスカシが結構頻繁にあって面白い。画面に入り込む子どもサイズのシルエットを濃く闇に落として描くからこその異様さがあって、子ども怖い系ホラーの手触りも終始漂ってるのが良い感じ。

そんでバラバラ殺人で入院してたテータムを「薬を与えたから大丈夫👍」と退院?させて経過観察みたいなことやってたんだけど、速攻で見失って結果的に人殺しを野放しにするというアホなドクター?がもしかしたら一番イカレたキャラだったりして…🤣🤣
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