nancy

哀愁の旅路のnancyのレビュー・感想・評価

哀愁の旅路(1966年製作の映画)
4.0
映画の原題はThe Whisperers。映画の冒頭、頭を少し傾けつつアパートの中を見回しながら、「あなたはそこにいますか?(Are you there?)亅と、不安げに老婦人は尋ねる。あなた(ささやいている人?)とは誰なのか?ラジオの中に潜んでいるようだし、スチームのパイプの中に潜んでいるようでもある。そして、彼女の日々の日課は、食べ物を見つけること、暖をとること、最低限の人とのつきあいである。暖かいスープをもらうために教会へ行き賛美の歌をうたう。1960年代の英国で生活保護を受けている老婦人の物語である。長い間、行方の分からなかった夫が戻るのだが、いろいろあり、夫が去り、また一人になる。そして、部屋をのぞきながら、「あなたはそこにいますか?(Are you there?)亅と尋ねるのである。その表情は、映画の冒頭の表情とは全く違う。とても安堵した表情にも見えた。女優さんの演技に引き込まれた。
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