大戦中のプロバガンダ作品。
しかし、色んな意味で他のそれ
とは一線を画す様に思う。
『東京上空三十秒』と、ある
意味、対を為す一本。
両作品、続けて観たい所。
戦争映画だけど、戦闘シーンは
一切無し。
主人公達が拷問されるけど、
直接の拷問描写は無し。
観る側に色々と恐ろしい想像を
させる余地の作り方が上手い。
不当な裁判の期間中、主人公
一隊は拷問を受け、一人、
また一人と、手を砕かれ、声を
潰され、脳に障害を負わされる
のだった…!
普通なら裏切者が出る所だが、
これはプロバガンダ映画だ。
彼等は決して屈しなかった。
隊長が寝言で全部吐いちまうん
じゃないかと、ヒヤヒヤした
けどな!(笑)
あと、フィリピン制圧の報せが
舞い込むと、裁判を中断して
皆で喜びまくる場面が印象的。
↓
陸軍兵と海軍兵がペアになり、
剣を抜いて打ち合い踊るのだ。
↓
傍聴席では、枢軸国と同盟国の
記者が喜び合い、中立国の記者
は複雑な表情を見せる…。
一種異様な名シーンだった。☆
映像的には、ホラー映画っぽい
陰影や音の使い方や、
幾何学的?な人や物の配置など
によるディストピア的な空気感
が秀逸。
結末は衝撃的だが、ヒーロー然
とした晴れやかな面持ちで
迎える終幕が、如何にもこれぞ
プロバガンダって感じだった。
あと、陸軍将軍の、ゲイシャっ
ぽい女性をはべらせた私生活が
如何にも悪のイメージで良き。
♪(笑)