shizuho

セックス依存症だった私へのshizuhoのネタバレレビュー・内容・結末

セックス依存症だった私へ(2008年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

興味のある主題だからそれなりに観た。

以下【記:2013.4.19】
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 彼はチェッキー
 私の文学の教授

 彼に執着してた
 彼は23歳と2ヶ月年上で
 フランス人
 既婚で私のものにはならない男
 私のものになる人などいない
 私には愛の才能がない
 残り物にはもううんざり
 ケーキを丸ごと食べたい
 だからこの物語を語る
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といって始まる「セックス依存症だった私へ(原題:Borderline)」

この後、ボトルから直接口飲みする赤ワインが口元から零れヒロインの白い肌に流れていく映像が好き。ちょっと明るすぎるけど、好き。

フランス映画と思っていたけど、カナダの映画でした。

ジャン=ユーグ・アングラードのファンなので、観るのは何度目だろう…。
歳をとり緩んだ身体のジャン=ユーグ・アングラードが見れる。それはそれで好き。
情けないけど純粋な男を演じさせたら右に出る者はいない。

23歳も年上なのに、チャッキーがものすごく情けない男に見える。
身体全体で愛を欲しがるキキを包み込むことが出来ない…。
家庭の有る無しじゃきっとない。男って、そんなに立派な生き物ではないのだ。

身体が繋がっていれば安心する。
その感覚は悲しいくらいわかる。
何を求めていいのかわからなくて、何が欲しいのかもわからなくて、
身体を開いて繋がっている時だけは必要とされていると思える。
そこに実体がある。
でも、ひとりになれば消えてしまうんだ。

キキを想うミカエルは、ゆっくりでいいって言った。
朝まで一緒に居て、彼が作った朝食を一緒に食べる。
そうか。きっと貪欲なセックスと快楽ではなく、ミカエルがキキに与えたものは「時間」なのかもしれない。
ゆっくりとした時間。時間を重ねていくことで、キキが本当に愛し愛される悦びを知るのかな。
「焦らなくていいよ。」
その言葉が、私も欲しいのかもしれない。
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