イライライジャ

アートスクール・コンフィデンシャルのイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『ゴーストワールド』がそこまでハマらなかったが、本作はドンピシャに好み。
こじらせた学生という点は同じだが、こちらは美大が舞台。美大生ではないので実際は知らんが、こんな感じに捻くれた奴や意識高い奴多いんだろうなという偏見。

“有名な画家になりたい”主人公がヌードモデルに恋をする。意識高いこじらせ主人公による斜に構えた発言の数々が痛々しい。

自分が1番良い絵を描く自信があるのに、イケメンが描いた落書きは評価され、自分は「クラス1のマヌケ」とバカにされる。

同時に近所で連続殺人が起きるのだが、主人公は殺人には関心はなく、観客は「こいつが犯人か?それともこいつ?」とか考えながら観ることとなる。

結末を言ってしまえば、近所の落ちぶれたジジイの描いた絵を自分の絵として出展するが、ジジイが連続殺人犯だったため、絵が証拠として主人公は逮捕される。

だがその瞬間、“シリアルキラーが描いた絵”として莫大な価値が付き、一瞬で人気者になり、有名な画家になる。
つまり、世間は絵の良し悪しなど一切興味はなく、誰も価値など分かっちゃいない。
そういう皮肉がすごい。

青春映画でありながら、ブラックコメディとしてもレベルが高い。